みなさん、こんにちは。日本国語塾 スタッフの石田です。
ゴールデンウイークの賑わいもようやく落ち着き、穏やかな日々が戻ってまいりました。
いかがお過ごしでしょうか。
私は連日の雨籠りを本とともに過ごせて幸せでした。本って素敵ですよね。
私は紙の本が好きなので図書館に行って古書特有の紙の匂いやページをめくるたび紙の擦れる音を楽しんでいたのですが、そんな変な楽しみ方でなくとも本には「内容を読む」以上の楽しみ方がたくさんあるのです!
今回は中でも小説に焦点を当て、私がおすすめしたい「小説の楽しみ方」について紹介していきます!
言葉を味わう
小説では心理描写を緻密に描くにあたって、多くの言葉を尽くしたり、あるいは情景描写でもって各場面の心象風景を私たち読者に見せてくれます。
そうした表現に触れれば触れるほど、感受性だけでなく、私たちの持つ言語表現そのものも豊かになります。
またどんな言葉を綺麗だと、美しいと感じるのかを知ることで、日々の中でより素敵なものが見えやすくなるのです。
多くの素敵な言葉と出会えば、その言葉たちを使って暮らしを今よりちょっとだけ素敵に感じることができるようになると思いませんか。
暮らしの中で思い出す
たまに、何かを見てふと小説のことを思い出すこともあると思います。
静かに雪の降る夜に『夜の底が白くなった』なんて思い出しては、川端康成の『雪国』を再び読みたくなる。月光が水面を滑って冴えわたる海辺では自分の影を見つめながら、梶井基次郎の『Kの昇天』を思い出してギョッとしてみたりする。
こうして日々の暮らしと自身の読書体験とを結び付けては、初めて読んだときのことや以前見た似た風景なんかを思い出してみる。
これも本の楽しみ方の一つです。
教養というほどではありませんが、素敵な楽しみ方だと思いませんか?
それに、青々と茂って空を隠す木々を見て「あらたふと青葉若葉の日の光」なんて言えたら、かっこいいじゃありませんか。
時代を楽しむ
これは今を生きる私たちにしかできない楽しみ方ですが、古書や古典を引っ張りだして、現代とその時代とをつなげるという楽しみ方もあります。
物語の舞台に実際に足を運んでみたり、資料館を訪れてみたりするだけでも楽しいものがありますよね。現代と古典世界との価値観の同異は、少し意識して読むととても面白いものがあります。
たとえば、短歌は今でいうX(ツイッター)の投稿みたいなもののようにとらえるととても面白いです。恋愛小説や恋の短歌も、今を生きる私たちと通ずるところが多くあります。
反対に、今では考えられないような慣習や価値観、文化に気軽に触れられるのも古典文学の楽しみの一つです。
あるいは、小説内で登場したものと同じ食事を再現してみたり、同じ音楽や詩を読んでみるのもとてもおすすめです。
何世紀も昔の時代を生きた人と同じ伝統や文化を自分が楽しんでいるという事実には強い感動を覚えることでしょう。
まとめ
今回は私のおすすめの「小説の楽しみ方」について紹介しました!
最近は電子書籍があるおかげで、その気になればいつでも本を手に取れるようになりました。
本を読んで多くの言葉と出会い、今よりちょっと素敵な日々を過ごしてみませんか。