はじめに:読書は「現代文の筋トレ」である
現代文が苦手な生徒に「本を読みなさい」と言うと、多くが「小説は好きじゃない」「読んでも点が上がらない」と答えます。
確かに、ただ読書をしても現代文の点数は上がりません。
しかし、「現代文のための読書法」を意識すれば、読む力・考える力・書く力のすべてを鍛えることができます。
読書とは、文章を読む筋肉を育てるトレーニングです。
では、どんな本をどう読めばいいのでしょうか?
この記事では、現代文の力を伸ばすための読書法とおすすめの本を、塾長の経験から徹底的に解説します。
第一章:なぜ現代文に読書が必要なのか
1.「読む量」よりも「読む質」
現代文の力とは、「日本語を読むスピード」と「意味を正確に把握する力」の掛け算です。
多くの受験生は「たくさん読めば読解力がつく」と思いがちですが、それは半分正解で半分間違い。
読む量は大切ですが、**「どんな目的で読むか」**がもっと重要です。
たとえば、野球選手がひたすら素振りをしても、フォームが間違っていれば上達しません。
同じように、目的もなく本を読んでいては、現代文の“型”が身につかないのです。
2. 現代文ができる人の「読書の共通点」
現代文で高得点を取る生徒には共通点があります。
それは、論理的な読書習慣を持っていることです。
彼らは本を読むとき、無意識に次のようなことを考えています。
- 筆者は「何を主張したい」のか
- その根拠は「何をもとに」言っているのか
- 反対意見があるとすれば「どんな考え方」か
つまり、現代文の設問で問われる思考を、読書の段階で自然に行っているのです。
これが「読む筋トレ」の正体です。
第二章:現代文が伸びる読書の方法
1. 読書ノートを作る
ただ読んで終わりでは、現代文力は上がりません。
読後に「読書ノート」を作る習慣をつけましょう。
書くべき内容は、次の3つです。
- 筆者の主張(=本文の要)
- それを支える根拠(=理由・例)
- 自分の意見(=同意・反論・感想)
この3項目を毎回整理していくと、「要約力」「論理的思考力」「表現力」が同時に鍛えられます。
これは小論文の基礎トレーニングにもつながります。
2. 一冊を何度も読む
現代文の学力は「再読力」で決まります。
一度読んでわかった気になっている人ほど、実は理解が浅い。
二度目・三度目の読書で、筆者の論理展開や比喩の意味がより明確に見えてきます。
特に評論文系の書籍は、一冊を三回読むことをおすすめします。
1回目は全体の流れ、2回目は論理の構造、3回目は筆者の思考法に注目して読むとよいでしょう。
3. 「なぜなら」を意識して読む
読解力を上げる最強の読書習慣が、「なぜなら」を頭に置いて読むことです。
筆者の主張を見つけたら、「なぜなら?」と自分に問いかける。
この一言が、因果関係の理解を深め、記述問題にも強くなります。
第三章:現代文に効く読書ジャンルとおすすめの本
1. 評論文の基礎をつくる本
現代文で頻出するテーマ(言語・社会・文化・科学)を扱った本を読むと、背景知識が増え、設問に強くなります。
- 『考える技術・書く技術』(山崎康司)
→ 論理的思考の基本。現代文の解答作法が身につく。 - 『日本語が亡びるとき』(水村美苗)
→ 言語・文化テーマに強くなる。入試にもよく出る。 - 『未来の年表』(河合雅司)
→ 社会問題・人口問題に関心を持てる一冊。要約練習にも最適。
これらは「読む」だけでなく、「要約」「意見を書く」まで行うことで、現代文の力が確実に伸びます。
2. 小説で「心の読解」を鍛える
小説は「登場人物の気持ち」を読む練習に最適です。
ただし、物語を楽しむだけでなく、「なぜこの人物はこの行動をしたのか」「作者は何を伝えたいのか」を考えることが大切です。
おすすめは次のような作品です。
- 『走れメロス』(太宰治)――友情と信頼の構造を考える
- 『こころ』(夏目漱石)――人間心理の複雑さを分析する
- 『コンビニ人間』(村田沙耶香)――現代社会の“普通”とは何かを問う
古典と現代をバランスよく読むことで、文体の違いにも強くなります。
あさきゆめみしなんかも受験によく出てくるのでオススメです☆
3. 新書で「背景知識」を養う
現代文の読解に強くなるには、背景知識のストックが欠かせません。
社会学・哲学・科学・歴史など、幅広く読んでおくと、初見の問題でも対応力が上がります。
- 『教養としての哲学』(小川仁志)
- 『人はなぜ働くのか』(池上彰)
- 『世界はなぜ「ある」のか』(吉田伸)
これらの新書は1冊200ページ前後で、読書初心者でも取り組みやすいのが特徴です。
第四章:読書と現代文勉強の「理想のバランス」
1. 読書だけでは点は上がらない
よく「読書しているのに現代文ができない」と相談されます。
これは、“読む”だけで“考えていない”からです。
現代文の設問では、「筆者が何をどう考えたか」を整理する力が問われます。
したがって、読書は勉強の一部として位置づけ、問題演習とセットで行うことが重要です。
2. 一日の読書時間の目安
受験期でも、毎日10〜15分の読書時間を確保するのがおすすめです。
朝の通学時間や寝る前など、スキマ時間に「一節でも読む」。
短い時間でも、習慣化することで「読解の瞬発力」がついていきます。
第五章:読書を“勉強”に変えるコツ
1. SNS・動画で知識を補う
難解な評論や哲学書に挑戦する際は、まずYouTubeや要約サイトで「全体像」をつかむと理解が早まります。
大切なのは、“わかる”まで立ち止まることではなく、“進みながら考える”ことです。
2. 同じテーマを「複数の本」で読む
現代文のテーマは、言語・教育・科学・社会などが繰り返し出題されます。
同じテーマの本を2冊以上読むと、視点の違いが見え、比較読解の力がつきます。
たとえば、「AIと人間」をテーマに読むなら――
- 『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子)
- 『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ)
この2冊を読めば、「人間の知性とは何か」という核心テーマを立体的に理解できます。
まとめ
一冊の本が、あなたの読む力を、そして人生の見方を変えることもあります。
だからこそ、今日から一冊――“考えながら読む”読書を始めてみてください◎
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