文章が読めない。
テストでは「何を問われているのか分からない」。
小論文や記述問題では「何をどう書けばよいのか迷う」。
こうした悩みは、実はほとんどの場合「日本語の文の仕組み」を理解していないことに起因している。
特に、「主語・述語・目的語」の関係をきちんと把握できていない生徒が非常に多い。
国語はセンスの科目ではない。
言語学的な構造を理解し、再現性のある手順を踏むことで誰でも伸びる学問である。
本稿では、国語力の根幹をなす「主語・述語・目的語」について、読解力との関係、答案作成への応用、そしてトレーニング方法に至るまで徹底的に解説する。
1.なぜ「主語・述語・目的語」が最重要なのか
結論から述べる。
文章とは「主語が述語する」という骨格によって成立しているからである。
例:
「少年(主語)がボールを蹴った(述語)。」
この文には「ボール」が登場し、「何を蹴ったのか」を示している。これが目的語である。
主語……誰が
述語……どうした
目的語…何を
この三者関係が成立すると、読者の脳内に「情景」や「論理」が正しく構築される。
反対に、主語や述語の把握ができていないと、読み間違いが生じ、解答がズレていく。
国語の読解問題で最も多い誤答要因は「勝手な読み替え」である。
原文の主述関係を追わず、「なんとなく」の印象で解答してしまう。
これでは点数が安定しない。
国語力向上の第一歩は、文章の骨格を正確に掴むことである。
2.「主語・述語」を中心に読む読解力
では、どのように文章を読むべきか。
答えは極めて単純である。「述語から読む」。そして「述語に対応する主語を探す」。
2-1 読解の手順
- 述語(文の動作・状態)に印を付ける
- その述語の担い手(主語)を探す
- 目的語(対象)があるか確認する
- 修飾語や接続関係を整理する
この手順を習慣化すると、長文読解でも迷わなくなる。
2-2 試験問題は「述語」を意識させてくる
読解問題に頻出する出題形式の多くは「述語の具体化」である。
例えば、次のような設問は典型的だ。
「筆者が『大切なこと』と言っているのは何か」
ここで「言っている」が述語であり、その担い手(筆者の主張内容)を特定する必要がある。
主述関係を抽出できる生徒は迷わない。
できない生徒は本文全体をさまよい、時間だけを浪費する。
読解とは「述語を軸にした構造解析」であると定義できる。
3.「目的語」を読み違えると論理が崩壊する
目的語を正しく捉えられないと、文章の意味が180度変わることがある。
例文
A「私は先生を尊敬している。」
B「私は先生に尊敬されている。」
AもBも述語は「尊敬」。しかし、目的語の位置が異なることで関係性が逆転する。
この差を敏感に読み取れるかどうかが、記述問題の精度を左右する。
目的語を誤読してしまう代表的な原因は次である。
・主語と目的語の入れ替わり
・受動態(~される)への弱さ
・助詞「が」「を」「に」の機能理解不足
・長い修飾語による主述の遠隔化
国語の読解は「主語と目的語の位置関係を見抜く訓練」であると言える。
4.文章の論理は「主語・述語」で展開する
論説文で筆者の主張が分からない生徒は、次の視点が欠けている。
・筆者の主語
・筆者の述語(主張動詞)
論説の基本構造
主張(述語)→理由(目的語含むデータ)→結論(重ねた述語)
「述語は論理のエンジン」と言い換えてもよい。
例えば、評論文の述語には以下のような特徴がある。
・断定「~である」
・提案「~すべきだ」
・批判「~ではない」
・評価「~が重要だ」
これらを丁寧に拾うだけで、設問に対する根拠が手に入る。
優れた受験生は、本文中の述語をほぼ全てマーキングして読んでいる。
5.記述力を伸ばす書き手側の「主語・述語・目的語」管理
読み手側だけでなく、書き手側にも主語・述語・目的語の整理が求められる。
採点者が最も嫌うのは、何を述べているか不明な文である。
例:悪い文
「いろいろな問題を抱える現代社会では、多くの人々が不安を感じており、その不安を解消して、より良い社会にしていく必要があると思う。」
主語が不鮮明で述語が遠すぎる。
改善例
「現代社会は多くの問題を抱えている。そのため人々は不安を感じる。この不安を解消することが、より良い社会につながる。」
主語と述語を短く結びつけることで、論理が鮮明になる。合格する答案は常に「主述が明確」である。
6.国語は「論理の学問」である
国語が苦手な原因は、国語が曖昧だからではない。
曖昧に教えられてきたから苦手になっただけである。
文章の骨格
主語(誰が)
述語(どうする)
目的語(何を)
この三点を見抜くことができれば、国語の世界が一変する。
・読解問題で迷わない
・記述答案が筋立って書ける
・小論文に説得力が生まれる
・情報整理力が高まる
・社会に出ても役立つ
国語力とは、情報を正確に受け取り、正確に発信する力である。
これはすべての学問の根幹をなす技能であり、人生を支える武器となる。
国語ができれば他の教科も成績が上がっていくのである。
7.まとめ
- 国語力の基盤は「主語・述語・目的語」の理解
- 述語を軸に読むことで読解が安定する
- 目的語の把握誤りが論理破綻の原因になる
- 記述でも主述関係の明確さが必須
- トレーニングは再現性がある
国語は「センス」ではなく「構造理解」で伸びる。
それをわかりやすくルールをつかって教えているのが当塾である。
主語・述語・目的語を制した者は、国語を制する。
ぜひみなさんも苦手な国語を得意にしよう!!
日本国語塾(松橋国語塾)について
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