※この記事については、国語についてではないので、興味のない人はスルーして構いません。
2005年春から僕は浪人生として上京しました。住んでいたのは西荻窪というところで、住宅ばっかりあるなあという感想でした。
勉強する場所が秋田県から東京になりますと、さすが若さというものでしょうか、色々な変化がありました。(生徒諸君には必ず話していますがブログにはあまり書けない…)
そんなドキドキワクワクの東京生活で、誘惑も多かったのですが、予備校で勉強するのはとても楽しみにしていたんです。結構荒れた生活をしていましたが、勉強だけはすることができたんです。一日9時間をずっと勉強していました。
勉強の中で一番好きなのは英語。授業が楽しかったんですよね。「早稲田予備校」の講師、川田拓矢先生の授業でした。先生の教えてくれる英語は、難しい問題でも難しくないんです。と、いうのも難しい文章を明快に教えてくれるので、「ああ、わかりやすいなあ」と助かっていました。早稲田予備校は「早稲田大学に入学したいやつ集まれ」という予備校でしたので、テキストが難しいんですね。それでも「勉強が難しいな」と思うことはありませんでした。
ですが、正直川田先生の魅力は「英語のお勉強」を教える職人、ということだけでは無かったんですね。先生の本職は「作家」さんでした。昔から詩を書いていたらしく、現在は小説も書いているのだということ…。
先生の授業を受けていると、言葉の節々に「知性」を感じました。先生の授業を受けていると必ず「雑談」が混じります。90分くらいの授業時間に30分くらいはほとんど雑談です。先生の冒険譚ともとれるような波乱万丈な人生とか、価値観とか。結構派手な話もありましたが、不思議と粗野な印象は受けませんでした。
(時効だと思うので告白しますと)僕はこっそりボイスレコーダーを買って、先生の雑談を録音していたこともあります。カフェとか、寮とかで勉強するときに疲れたら録音を聞いていました。勉強の癒しでした。
その後、受験が終わりまして僕は早稲田大学第二文学部に合格しました。川田先生は文学部に入りたくても入れなかったことがあったらしく、ちょっと鼻が高い。もちろん先生に報告しました。
おそらく、あの時の嬉しさがあって、今の僕があるのでしょう。
(長いので続きます)